あたらしいまちのブログ

あたらしいまちの交換日記

キャンプの夜

お肉やトマトやキノコをたくさん買って焼いたり飯ごうでごはんを炊いたりホタテを入れた焼きそばをつくってワイワイ食べたあと、隣のテーブルのおじいさんたちにいただいたお刺身を冷蔵庫にいれるために、わたしはひとりでコテージまで歩いていた。ついでに服についた汚れを落としてきたかったのもあった。バーベキュー場からすこし離れるだけで周りは真っ暗になりしんとする。虫の鳴く音だけが聞こえていて、他にはなにも聞こえなかった。道は広いし複雑ではないから真っ暗でもなんとなくで歩けた。大きな影になった山がめのまえに迫っていた。

ワッと左のほうが光った。山と貯水池のあいだを縫うようにつくられた道を車が走ってくる。たくさんの杉の木が車のライトに照らされてしましま模様の影が右から左へ流れてはきえていく。貯水池に光がうつり形の動きは倍になる。車はゆっくりと走っていって、わたしの目の前を通り過ぎて右のほうへ消えていった。わたしはそれを橋の上からずっと見ていた。上を見ると星がすごくよく見えた。空気は透き通っていて、虫の鳴き声はもう秋だった。

 

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