あたらしいまちのブログ

あたらしいまちの交換日記

公園のブランコ

その日は学校が終わってから、友達と公園で遊んでいた。いつもは夜ご飯の時間まで一緒に遊んでいるけど、友達は用事があると言って先に帰ってしまった。

 

周りは誰もいないし、わたしも帰ろうかなぁと思ったけど、せっかくなので逆上がりや靴飛ばしの練習でもすることにした。

 

ブランコを漕いでいると、左側には小さい子用のブランコがあって、そこに座って背中を押してもらいながら「雲の上にはね…」とおばあちゃんが昔教えてくれた事を思い出した。

 

見上げると、赤い空にちょうどいい感じの雲があって、今ならと一生懸命漕いだ。いーち、にーの、さん!で思いっきりジャンプすると、体がふわふわと浮いて、雲の上までたどり着いた。

 

そこには思ったより沢山の人がいた。でも建物はなくて、ずっと向こうまで同じような景色が続いていた。辺りをきょろきょろ見ていると、おじいさんが近づいてきて「案内人です」と言った。歩きながら色々と話をしていると空が暗くなってきたので、また明日遠くまで案内してくれる事になった。

 

ここでは、雲をちぎってなんでも作れると教えてもらったので、大きいベッドを作った。いつもの2段ベッドよりふかふかで、いつもより綺麗な星を眺めながら眠った。

 

朝が来て、おじいさんとの待ち合わせ場所に向かう途中、じっとこっちを見てくる人がいた。あんまり気にしないようにして通り過ぎようとすると、突然トンッと背中を押されて、雲の上から落ちた。

 

体が浮くことはなくて、自分の住んでる町がどんどん近づいてきて、このままじゃ死んでしまうと思いながら目をつぶった。

 

 

目を開けると、白い天井が見えた。体もちくちく痛いし、病院みたいだった。

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